2007年4月15日日曜日

さくら

「似た猫を見かけた」という情報を複数得て、毎日隣町を捜索していた。
猫はどういうわけだか、新しいマンションや住宅なんかより、ちょっと旧い一戸建てのアパートや民家の納屋みたいなとこや、軒先にいたりする事が多い。
通っていた小学校までの通学路も、普段はほとんど通る事なんかないから、久しぶりに通るとずいぶん変わっていたりして新鮮だ。
整備されてしまって、細かった道も幅広くなっていたり舗装されていたりする中で、遠い記憶の中の風景と全く同じ場所もいくつか残っている。
軽自動車が1台通れるかどうかというくらいの幅の、鬱蒼とした道の先に、旧い作りの雰囲気の良い家屋と、程よく手入れされた昔ながらの庭を持ったお宅がある。
それこそ小学生の頃には全く気がつかなかったが、この家の庭には大きな桜の木がある。枝振りが見事で、横に伸びた部分は塀の外にまで伸びて、脇の小道の上にまで及んでいる。
咲き始めも美しかったが、数日前から花びらが散り始め、昨日あたりは、家の入り口や庭、そして脇の小道まで、まるで絨毯のように敷き詰められた状態になっていた。
庭に大きな木を植えたい とあらためて思ったが、この家を見ると、庭に桜があるのではなく、桜のある場所の近くに家を建てたかのようにも思え、そのバランスこそが、この雰囲気の源のような気がした。
来週には全て葉桜に変わるだろう。それはそれで、きっと美しいはずだ。

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