2010年8月24日火曜日

完全燃焼

恐れていた発表会が昨日終わった。

今回、発表会に出るにあたって、2つの目標があった。
ひとつは前回も書いたとおり、うちの楽器が悪い音だと思われないように、最大限いい演奏ができるよう努力することだった。
もうひとつは、緊張のなかでも楽器を触れば演奏だけに集中できるようにすることだった。

土曜日にリハーサルがあって、夜遅く会場に行った。
会場は公共施設の多目的室のような場所で、舞台も簡素な移動式で高さ50センチくらいの低いものだった。
客席には大人の方がまばらに座っているだけで、張り詰めた雰囲気はない。

自分の番が来て、壇上に上がった。
楽器を構えてピアノの前奏を待つ、とそこで先生が「綾さん、ピアノの方に合図してください」
・・・あれ?同時に始まるの??
練習で使っていたCDは2小節のイントロが付いていたのだった。
で、急遽合図の仕方を教えてもらってやったのだが、アタマを振るだけの簡単な作業が非常に難しい!
そして、なんとか滑り出したら、今度は体中のふるえが止まらない。
電気風呂につかりながら弾いたらきっとこんな感じだ。
腕だけじゃなくて、体全体がボヨボヨして、「誰か止めてぇぇ~」と思いながら曲が進んでいった。
客席の視線は全く気にならない、ピアノ演奏と自分にも集中できる。
それなのに

体のふるえが止まらない~??orz
うそでしょ~(涙

そんなとこに大きな落とし穴があるとは思いもしなかった。
その晩はがっくりしながらも、合図と舞台上での礼を練習して寝た。

翌朝、また最後のリハーサルがあって、壇上に上がった。
礼もちゃんとできた。合図も昨日よりちゃんとできた。体の震えもちょっとマシだった。
ただ、それらのことに気をとられていたせいか、出だしのボウイングがおかしくなり、
うまい人なら途中で吸収できるのかもしれないが、どうしようもなく、
下げかけた弓を無理やり上げるようなことをしてしまった。

グッタリしながら、近くのデニーズで昼食。

本番では体の震えは止まるのか?
礼、合図、ボウイングは大丈夫なのか?

結果。
全部がセットで出てきた。
震えも土曜日と同じくらい出たし、ボウイングも間違えた。

でも!
そんな演奏だったにもかかわらず、打ち上げの立食パーティーで、いろんな方が話しかけてきてくださった。
「ダンナさんの楽器なんですか~」とか
「いい音ですね~」と。
すごくうれしかったし、がんばってよかった。。。と思った。

発表会の最後に、全員でカノンの合奏があった。
先生も生徒もみんな前に出て、すごい人数での合奏だった。
私はカノンが弾けないので客席で聴いていたのだが
合奏というのは、ひとつの大きな命と同じなんだなと思った。
そして演奏していない客席の人たちも、きっと同じ思いでいたと思うので、
それもまた、境界線のない大きな命の一部なのだと思う。

はじめてのこの発表会のことは一生忘れないだろうなと思う。
バイオリンを始めてよかったな・・・とまた心から思った。

2010年8月11日水曜日

発表会


ブログを更新せねば・・・と思いつつ、気がつけばもうお盆である。
そして、お盆が終われば、初めてのバイオリンの発表会が待っている。

昨年のお正月から始めて、だいたい月に一回ほどレッスンに通い、ただいまスズキの2巻の「妖精の踊り」までをすべて練習中だ。
発表会にはヘンデルのブーレを弾くことになっているが
当日のことを想像すると、なんとなく自分が断頭台に向かって、ゆっくりと進んでいるような気分になる。

先日は、お客さんのお宅にお邪魔した折に、このブーレをグランドピアノで伴奏してもらい、娘さんにも第2バイオリンをつけてもらって一緒に弾いたのだが、なんとアガってしまった!
しかも観客がうちの夫だけ、という中でである。
まず、ピアノと音程が全く合ってないことに動揺し、スラーはめちゃくちゃ、ボーイングもめちゃくちゃ。
普段ならば暗譜でも弾けるはずなのに、目の前にある譜面が見えてても読めない。

結局、毎日楽器に触っているという自己満足だけで、なんにも身についてないんだなぁ・・・と反省した。
発表会まであと10日ほどだが、少しでもよくなるようにしたいと思う。
まして、自分たちで作った楽器を携えて出るのだから、「音が悪いね」と思われることだけはなんとしてでも避けたい!
矛盾しているようだが「ヘタな人が弾いてもいい音がするね」くらいに思われるようでないとなぁ・・・。

写真は8分の1サイズの弓で、レッスンに行ったときにたいていこの弓の持ち主である女の子たちに会う。
2人はいつも仲良しで、同じように上手い。
小さなバイオリンで正確に、きれいに音を出して、指も早く動いて、難しい曲が弾けて・・・
先生が「ここは、こう弾くといいよ」と言われたこともすぐにできてしまう。
うらやましいことこの上ないが、この2人の子たちに限らず、小さい子たちはみんな上手に弾く。

自分がレッスンのときは、夫に、先生からの指導を書きとめてもらったり、動画を撮ってもらったりしているのだが、その最中、ふいに先生が

「今、だんな様が父兄の顔になっておられましたよ・・・」と。

私が言われたとおりにできないのを横で見ていて、そうなっていたらしい。
確かに、あとで家に帰ってから動画を見直したりすると我ながら

「おまえ~~!!」と言いたくなる部分がてんこもりである。

でも先生はそんな私の演奏でも「はい、いいですよ」と言って的確なアドバイスをくださるので、練習するのはとても楽しい。
ジグソーパズルをちょっとずつやっているような感じだ。
今のところ全体像は全く見えないけど、次第になにか見えてくるのかな~と思ったりする。
これはレイトスターターならではの楽しみかもしれない。