友人に、村上春樹の1Q84を貰った。
「面白いの?」と聞いたら、「いや、読んだ事ない。でも面白いって噂だし」という答え。なんだそら。
そもそも村上春樹の小説は読んだ事がなく、こんな事でもなければ、下手をすると生涯読まなかったかもしれないくらい、変に遠い存在だった。有名すぎて避けてた感もないではない。
若い頃、この友人にいろいろな本や作家を教えてもらった。彼の勧めるものはどれも面白かったし、幼稚な狭い世界と価値観の中にしかいなかった自分にとっては、一冊読むごとに、地図の見えなかった部分が広がっていくように思えた。読書の楽しさは、彼から教わったようなものだ。
しかし、時が経つにつれ、だんだんと本から離れてしまった。
本からというよりも、読書というものからかもしれない。
仕事に関する本ではなくて、純粋に読書をした。
何かを得ようとして本を読むのではなくて、本を読む行為をしたいという欲求を、いつのまにか失っていたように思う。
久しぶりの読書は楽しい。
まだ途中だけれど、読み出したら止まらなくて、先が気になって仕方ない。そういう気持ちがまだ湧いてくる事が、少しだけ嬉しかった。
しかし、彼がくれたのはBook1のほうだけ。これはつまり、Book2を買って、読み終わったら両方貸してくれ、という意味なのだろうか?・・・それ以外ないか。
もう少し待っててくれ。いま、凄くイイとこだから。