2008年4月12日土曜日

ありがとう


16年生きたうちの犬「アニー」が永眠した。今日のお昼過ぎの事だった。
室内で暮らしていたのだが、2週間前に脳梗塞のような発作で倒れ、その後もよたよたと部屋の中を歩いてはいたが、時々立ち止まり、その場でぼーっとしている事が多く、ここ数日はご飯も食べられず水もほとんど飲めず、ただ横になっているだけのような状態だった。それでも、近づくとしっぽを動かそうとする気配があったりした。多分、目も耳も、鼻でさえも、ほとんどきいてない状態だったと思う。

うちに初めてきた頃の事を思い出す。
以前飼っていた犬が亡くなってしばらくして、従兄弟のおばちゃんがどこぞで生まれた数匹の中から連れてきた。真っ白で、耳の中が奇麗なピンクで、まるでマンガのウサギのような感じだった。
ペットを飼った事のある人ならわかると思うが、彼らは家族の中で大事な存在になる。楽しい時も悲しい時も傍らにいて、まるで気持ちをわかっているかのような行動をする。まさしく、かけがえのないものだ。

僕は以前飼っていた犬をかまってやる事がなかなかできなかった。亡くなった時も、大学生で一人暮らしだったために、そばにいてあげる事ができず、実家に戻った時は犬小屋だけが残っていた状態だった。そんな事があったために、アニーにはそれまでできなかった事をいっぱいしてやろうと思い、なるべく心がけて可愛がった・・・つもりだったが、今ではそれができていたのかどうかわからない。
いつも一緒にいて、空気のような存在になる。ありがたみを忘れがちで、無くしてようやくその大切さに気がつく。なかなかこの繰り返しをなくす事は難しい。

昨日は僕の誕生日だった。相当具合も悪かったろうに、気を遣って今日まで頑張ってくれた事を思うと、涙があふれてきた。
もう苦しまず、ゆっくりと、安らかに眠る事ができるだろう。こんなとこで書くのもどうかと思うけど、ただ「ありがとう」と伝えたい。

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