2008年10月12日日曜日

新蕎麦


群馬県の川場にある、「和多奈部」に蕎麦を食べにいってきた。
連休のど真ん中だったが、足尾からまわるルートは思った以上にスムーズで。天気も良く、まさしくオープン日和だった。
蕎麦の味の善し悪しって、正直わからないんだけれど、この店の蕎麦は記憶に残って忘れられない。
素晴らしいロケーションに立つ店で、美味しいものがより一層美味しく感じられる気がする。

行き帰りの道すがら、様々なスポーツカーとすれ違ったが、黄色のディーノ246GTはやはり別格だった。
永遠に色あせない宝石のような車。跳ね馬には全く興味がないが、跳ね馬を持たないこのフェラーリだけは、いつまでも気になる特別な存在だ。

ともあれ、久しぶりに楽しめたドライブだった。

2008年10月11日土曜日

オクトーバーフェスト2008

栃木市の街中にある、うずま公園で行われているオクトーバーフェストに出かけた。
去年も出かけて、会場で売られていたケバブを食べ、それが美味しかったものだから、今年もいってみようという事になった。うちから会場までは丁度良いくらいの散歩コースで、街中を流れるうずま川沿いを歩いていたら、先日楽器を買ってくださったお客さんとばったり出くわした。不思議な偶然。
会場ではドイツ民謡のバンドライブとか、それこそソーセージやらビールやらワインやらが販売されていて大盛況。天気も良くて、とても気持ちよかった。
お目当てのケバブ屋さんも来ていた。野外で食べるのも手伝って、とても美味しく感じた。また来年も食べに来なくては。
イベントそのものは明日の12日、明日の日曜日もやってるみたい。お時間のある方は是非。

2008年8月31日日曜日

記憶


ある曲を聞いた時、ふっと懐かしい想い出が走馬灯のように蘇る事がある。
子供の頃聞いた音楽。青春時代。音の記憶は、映像と結びついている。

同じような事が、匂いにもある。むしろより強く記憶と繋がっている。
街ですれ違った人が残した淡い香りや、洗い立てのタオルで顔を拭いた時。しばらくぶりに訪れる親類の家の玄関を開けた時。匂いとリンクされた映像を、脳みその片隅から引っぱり出そうと試みる。
なんだっけ、なんだっけ・・・・。

はっきりとは映し出せない映像も、しかしその時の気持ちだけは、胸のあたりにじんわりと感じられ、時に懐かしく、時に微笑ましく、時に辛く、悲しく、せつない感触が、全身に広がっていく感じ。

終わった事の記憶。繰り返す事のできない時間。いい想い出。

しばらくすると、それを思い出していた事も忘れてしまう。
いつのまにか、懐かしい匂いが消えているように。

2008年8月30日土曜日

伝説


うちに、ほぼ完成形のチェロの裏板がある。
白木の状態で、しばらく看板として飾っていた。
この板は飾り用として作ったわけではなく、本当にチェロを作ろうとして作ったものだ。

まだ製作学校に通っていたころ、初めてチェロの製作にとりかかり、バイオリンの何倍も大きい板に苦労しながら一生懸命削っていた。
2枚の板を真ん中ではぎ合わせ、表面を平らにし、そこに型を置いてアウトラインを描く。
線に沿っておおまかに電動のこぎりで切ったあと、ナイフややすりを使ってきれいなラインになるよう整えていく。
そのあと、表面をノミで彫って、ふくらみを作っていく。裏板はカエデなので堅い木だから結構たいへんだ。
そして、ぐるりにパフリングという細いラインを溝を彫って埋め込んでいく。
時々お客さんが驚かれるのだが、この「黒白黒」の細い線は描いてあるのではなく、細い木を埋めてあるのです。この作業がチェロの大きさだとまたまた大変・・・。細い溝を彫っても彫っても、なかなか一周しないのだった。パフリングのあとは、表面をさらにきれいにして終了。

しかし、今度は裏面を彫る作業が残っている。
まずは、まだまだぶ厚い板をノミで「あらどり」する。
腰を入れてガツガツ彫っていくのだ。
実はわたしはこの作業が結構好きだ。彫るというより、工事現場のおっちゃんになったような気分で、ガンガン掘っている。

そしてあのとき悲劇は起こった。

ノリにのっていた私の耳に「 パ リ 」という音がして、端っこに黒い丸が現れた。

「 こ れ は な に か し ら 」

わかっているけど、わかりたくない。
見えているけど、信じたくない。

・・・・・それは間違いなく穴だった。

その場に固まっている私。
隣の席の男の子も一緒に固まっていた(彼はあとで「どう声をかけたらいいか、わからなかったっすよ」と話してくれた)

しかし、あいてしまったものはどうしようもなく、先生のところに行って「穴が開いてしまいました」と言った。
先生もかなりびっくりして「バイオリンの板なら穴をあけた人を見たことがあるけど、チェロっていうのは今まで見たことがないなぁ~、伝説作ったやん!」となぐさめ(?)てくださった。
そして、もう今日は帰りなさい、仕事を続けるのは無理やろ?と労わってくださった。
でも、その日は学校の最寄の駅で友人と待ち合わせをして出かける約束があったので、その中途半端な数時間を持て余すのも余計にしんどいし、作業らしきものを続けることにした。

チェロの板に穴があいている・・・。
あんなに苦労して作ったのに、一瞬でこんなことになるとは。
直そうと思えばできないことはなかったけど、仕切りなおして一から製作することに決めた。
むしろ穴があいてよかった。
ぎりぎりの薄さのところで気がついたら、たぶんもっとグッタリしてしまったと思う。

その後無事にチェロはできあがり、現在はお嫁入りもして、可愛がってもらっている。

2008年7月18日金曜日

悪人


少し前に枯れかけのビオラに黒&赤の毛虫がたくさんついていた。
どう見ても悪人・・・。
チャドクガのように触ると皮膚にひどい炎症をおこすかもしれないと思い、
新世界に旅立ってもらおうかと思ったのだが、とりあえずネットで確認することにした。
そうしたら、意外にきれいな蝶になることが発覚。
蛾でもない。
エサはビオラの葉など。

そうなるとなんだか保護しなければならないような気になってきて
関係ないハーブについている子や、地面をあてどなく歩いている子もスコップで連れてきて、
ビオラの鉢に投入。
毛虫だらけの鉢になったビオラ、すごく怖い!!
でもエサが豊富なせいか、どんどん大きくなっていく。
それがまた怖い!

で、しばらく経って気がついたら毛虫の数がだいぶ減っていて
そのかわりに、まわりの木などにサナギがブラブラ・・・。
サナギってあんまり見たことがなかったけれど、指でつつくとお尻をプリンと振って避けるそぶりをするのだ。
ちゃんと神経が通っている。
当たり前だけど、ちょっとびっくりして、面白かったので何回もやってしまった。

そしてある日、写真の蝶が。
まさに出てきたばかりだったのだろうか、1時間以上はその場所にじっと同じ体勢でいた。

最近では毎日この種類の蝶を庭で見る。
うちで育った子だと思うと、とてもうれしい。

2008年6月27日金曜日

擬態


庭木がみんなして頑張りはじめている。夏に向けた何かのアピールなのだろうか。
春先まではそうでもなかった桜も、いつの間にやら枝ボウボウ。下のほうは切るべきかとも思ったが、桜切る馬鹿とも言うし、とりあえずは様子見。
地味に枝を伸ばしているシラカバを眺め、無駄に元気なアオダモを繁々と眺めていたら、かなりでかい青虫を発見した。
あまりに見事な擬態で、パっと見はわからなかった。本体から生えたオマケのような足で細い枝に逆さに貼り付く様がかわいらしい。
ほぼ動きがないので、ずっとその場所にとどまるものかと思っていたら、次の日にはいなかった。誰かの胃の中に移動してなければいいけれど・・・。

2008年5月31日土曜日

理想の音


那須のステンドグラス美術館で行われるコンサートで、自分の楽器を演奏してもらった。
チャペルとしても使われる建物で、2階までの吹き抜けで天井が高い。ばろ屋の工房も普通よりは高めの天井だが、音響は比較にならない。普段とは違う環境でプロに演奏してもらう事は大いに参考になった。ホールとはまた違うが、音の通り、お客さんが満杯で入った時との違いなどなど。
それにしても、バッハの響きの美しい事!

作り手として聞いていると、もっとあそこをこう作ったらどうだろう、ああしたらどう変わるかな、と、いろんな思いが頭を巡ったが、演奏家の方には合格点をいただけた。

「これなら欲しい」
それは、最上の褒め言葉のひとつだと思う。

しかし、理想とする音、自分の頭の中で鳴っている音は、まだまだ先にある。その遠い道のりを思い浮かべた時、ため息とともに、自然と口元がゆるむのを感じる。
こんなに楽しい仕事はない。自分は幸せだと思う。