2008年11月26日水曜日

散歩


銀行やら郵便局やらは、極力徒歩で行くように心がけている。
ただでさえ出かける事が少なく、どんどん筋肉も落ち、体力も衰えるような感じがして(いや感じじゃないが)怖い。
道中通る公園のとなりに神社があるのだけれど、大きなイチョウが何本もあって、その落ち葉で黄色い絨毯ができていた。小学校の頃、この公園の脇にあった駄菓子屋で、焼きそばやジュースを買ったりして食べた記憶がある。公園では紙芝居屋も来ていたし、ソースせんべいとか水飴も売っていた。もうそんな光景はどこにもない。
時代って移り変わるんだなあと、しみじみ思う。

作業に行き詰まると散歩に出かける。
考えを整理するには歩く事が一番効果的だと思う。
だいぶ冷たくなってきた新鮮な空気を吸いながら、頭の中をリフレッシュする。
今の時期の散歩が、一年で一番好きかもしれない。

2008年11月13日木曜日

いいとこ


所用で長野にいってきた。
群馬の太田から下仁田まで高速。インターを降りて254号線に入ると、まわりの山々が見事に紅葉していた。
地元で紅葉狩りといえば日光なのだが、さすがにメチャクチャ混む事がわかっているのにわざわざ出かけたりする事もなく、秋色に美しく色づいた山々を眺めるのは久しぶりのようにも思えた。
大阪にいた頃、駅からアパートに行く間に渡る陸橋から近くの山が見え、そこが色づき始めると「ああ秋だなあ」と感じた事を思い出した。気持ちに余裕があったのだろうか、あるいはよく歩いていたせいか、些細なものもちゃんと目に入ったような気がする。

道中で、標高の高いところから富士山が見えた。名前も覚えてない牧場の駐車場に停めて写真を撮った。
関東平野の北の果てあたりに住んでいると、どこへいっても平坦な土地で抑揚が感じられない。どの方角を見ても雄大な景色がすぐ傍に見える長野に来るたびに「いいとこだなぁ」と声に出してつぶやいてしまう。
晴れた日の八ヶ岳などは、ずっと見ていても飽きる事がない。
いいとこである。

2008年11月8日土曜日

ポム de テール

従兄弟の結婚式にいってきた。
ずっと飲食業に従事し、少し前に足利に洋食屋をオープンして、なかなか順調に営業している。
と思ったら、いきなり結婚の話。まあめでたい事なので良いのだが。
結婚式も手作り感のあふれる、比較的アットホームなもので、彼らの友人たちの挨拶からも、それぞれが周りの人たちと、とても良い人間関係を築けていたのだという事がわかる。
これからの道は平坦ではなかろうけれど、ふたりで一緒に乗り越えて行って欲しいと願う。
心より、おめでとうを言いたい。


ポム de テール
http://www.pomme-de-terre.jp/

是非一度、食べにいってみてください。

2008年10月12日日曜日

新蕎麦


群馬県の川場にある、「和多奈部」に蕎麦を食べにいってきた。
連休のど真ん中だったが、足尾からまわるルートは思った以上にスムーズで。天気も良く、まさしくオープン日和だった。
蕎麦の味の善し悪しって、正直わからないんだけれど、この店の蕎麦は記憶に残って忘れられない。
素晴らしいロケーションに立つ店で、美味しいものがより一層美味しく感じられる気がする。

行き帰りの道すがら、様々なスポーツカーとすれ違ったが、黄色のディーノ246GTはやはり別格だった。
永遠に色あせない宝石のような車。跳ね馬には全く興味がないが、跳ね馬を持たないこのフェラーリだけは、いつまでも気になる特別な存在だ。

ともあれ、久しぶりに楽しめたドライブだった。

2008年10月11日土曜日

オクトーバーフェスト2008

栃木市の街中にある、うずま公園で行われているオクトーバーフェストに出かけた。
去年も出かけて、会場で売られていたケバブを食べ、それが美味しかったものだから、今年もいってみようという事になった。うちから会場までは丁度良いくらいの散歩コースで、街中を流れるうずま川沿いを歩いていたら、先日楽器を買ってくださったお客さんとばったり出くわした。不思議な偶然。
会場ではドイツ民謡のバンドライブとか、それこそソーセージやらビールやらワインやらが販売されていて大盛況。天気も良くて、とても気持ちよかった。
お目当てのケバブ屋さんも来ていた。野外で食べるのも手伝って、とても美味しく感じた。また来年も食べに来なくては。
イベントそのものは明日の12日、明日の日曜日もやってるみたい。お時間のある方は是非。

2008年8月31日日曜日

記憶


ある曲を聞いた時、ふっと懐かしい想い出が走馬灯のように蘇る事がある。
子供の頃聞いた音楽。青春時代。音の記憶は、映像と結びついている。

同じような事が、匂いにもある。むしろより強く記憶と繋がっている。
街ですれ違った人が残した淡い香りや、洗い立てのタオルで顔を拭いた時。しばらくぶりに訪れる親類の家の玄関を開けた時。匂いとリンクされた映像を、脳みその片隅から引っぱり出そうと試みる。
なんだっけ、なんだっけ・・・・。

はっきりとは映し出せない映像も、しかしその時の気持ちだけは、胸のあたりにじんわりと感じられ、時に懐かしく、時に微笑ましく、時に辛く、悲しく、せつない感触が、全身に広がっていく感じ。

終わった事の記憶。繰り返す事のできない時間。いい想い出。

しばらくすると、それを思い出していた事も忘れてしまう。
いつのまにか、懐かしい匂いが消えているように。

2008年8月30日土曜日

伝説


うちに、ほぼ完成形のチェロの裏板がある。
白木の状態で、しばらく看板として飾っていた。
この板は飾り用として作ったわけではなく、本当にチェロを作ろうとして作ったものだ。

まだ製作学校に通っていたころ、初めてチェロの製作にとりかかり、バイオリンの何倍も大きい板に苦労しながら一生懸命削っていた。
2枚の板を真ん中ではぎ合わせ、表面を平らにし、そこに型を置いてアウトラインを描く。
線に沿っておおまかに電動のこぎりで切ったあと、ナイフややすりを使ってきれいなラインになるよう整えていく。
そのあと、表面をノミで彫って、ふくらみを作っていく。裏板はカエデなので堅い木だから結構たいへんだ。
そして、ぐるりにパフリングという細いラインを溝を彫って埋め込んでいく。
時々お客さんが驚かれるのだが、この「黒白黒」の細い線は描いてあるのではなく、細い木を埋めてあるのです。この作業がチェロの大きさだとまたまた大変・・・。細い溝を彫っても彫っても、なかなか一周しないのだった。パフリングのあとは、表面をさらにきれいにして終了。

しかし、今度は裏面を彫る作業が残っている。
まずは、まだまだぶ厚い板をノミで「あらどり」する。
腰を入れてガツガツ彫っていくのだ。
実はわたしはこの作業が結構好きだ。彫るというより、工事現場のおっちゃんになったような気分で、ガンガン掘っている。

そしてあのとき悲劇は起こった。

ノリにのっていた私の耳に「 パ リ 」という音がして、端っこに黒い丸が現れた。

「 こ れ は な に か し ら 」

わかっているけど、わかりたくない。
見えているけど、信じたくない。

・・・・・それは間違いなく穴だった。

その場に固まっている私。
隣の席の男の子も一緒に固まっていた(彼はあとで「どう声をかけたらいいか、わからなかったっすよ」と話してくれた)

しかし、あいてしまったものはどうしようもなく、先生のところに行って「穴が開いてしまいました」と言った。
先生もかなりびっくりして「バイオリンの板なら穴をあけた人を見たことがあるけど、チェロっていうのは今まで見たことがないなぁ~、伝説作ったやん!」となぐさめ(?)てくださった。
そして、もう今日は帰りなさい、仕事を続けるのは無理やろ?と労わってくださった。
でも、その日は学校の最寄の駅で友人と待ち合わせをして出かける約束があったので、その中途半端な数時間を持て余すのも余計にしんどいし、作業らしきものを続けることにした。

チェロの板に穴があいている・・・。
あんなに苦労して作ったのに、一瞬でこんなことになるとは。
直そうと思えばできないことはなかったけど、仕切りなおして一から製作することに決めた。
むしろ穴があいてよかった。
ぎりぎりの薄さのところで気がついたら、たぶんもっとグッタリしてしまったと思う。

その後無事にチェロはできあがり、現在はお嫁入りもして、可愛がってもらっている。